第9章 さよなら五条先生
この時、私はなんとなく薄気味悪さを感じていた。やっぱり無しって取り消しにしようかとも思った。
でも、それより自分の素性を知りたい気持ちが上回った。
どんな少女時代を過ごしていたのかとか、学校ではどんな風にしていたのかとか。明るかったのかおとなしかったのか。何に夢中になっていたのかなど。
そして、聞いたことを五条先生に全部教えたかった。
嘘を付いたり、誤魔化したりせず、聞かれた事に笑顔で、それはね! ってちゃんと答えたかった。
そのために田丸を誘った。
だけど、それは大きな間違いで……。
「足がふらついちゃってもう今日は帰れそうにないねー」
「う……いや触らないで」