第9章 さよなら五条先生
急にスミレさんが何かを思い出したように、ふふっと笑う。
「にしても、神坂ちゃんやったわね」
「なに?」
「ジョーはあなたのこと好きよ。しかもかなり大好き。あの目は間違いない。やったじゃん、ジョーと両思いっ!」
「……そんなんじゃないですよ。本当に」
「私の目に狂いはないってば」
楽しげにはしゃいでる。ジョーは実は二次元なのだとはとても言えない。
だけど、五条先生は、そこまでしてなんで私のことを知りたいんだろう。
「スミレさん……。その人のことを知りたいって思う心理って好き以外になんかあるかな?」
「ん? そうだねぇ。何かの事件を追ってるとか? 謎を知りたいとか」
「あぁ」
ピーンときた。それか、と。