第9章 さよなら五条先生
私は五条先生が好きなのだとその気持ちを認めるしかなかった。
いつ頃からか、これはキャラを推してる気持ちじゃなく恋愛感情なのだと、ひとりの人間として五条先生のことを好きになってしまったのだと気付き始めていたけれど、それはあっちゃいけない事だと無理矢理抑え込んでいた。
恋心を認めるのが怖かった。
五条先生にも気付かれたくなくて気のないふりをした。
近くの川べりに腰を下ろして膝を抱える。冬の冷たい風が吹きすさび頬を撫でる。
寒い。けれど泣いて火照った顔を冷やすにはちょうどよかった。