• テキストサイズ

【呪術廻戦】獄門疆から君のもとへ〜五条悟〜

第9章 さよなら五条先生


 後ろから駆け寄る声が聞こえて、それが誰なのかはすぐ分かったけど、振り返れない。

 こんな変な顔をした私を見せられない。真っ直ぐ前を向いたまま返事をした。
 
「びっくりしただけだから気にしないで。お二人でお好きにどうぞ。お邪魔しました」
 
 おいって声を振り切るように風を切って走る。すぐに追いつかれて腕を取られたけど、声を絞り上げた。

「お願いひとりにして。すぐ戻るから……お願い」

 掠れた声でそう言うと、先生は力を緩めた。

 その隙に腕を振り払って後はただひたすら走った。

 素足が冷たい。コートも着ていない。けどこんな気持ちのままあの部屋には帰れない。


/ 681ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp