The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「て、あれ……そのバイク」
ふと佐野先輩が跨っているバイクに視線がいき、思わず目を見開かせてしまう。
すると佐野先輩は首を傾げていた。
「バブ……真一郎君の」
「うん。そうだよ、シンイチローのバブ。知ってたんだ」
「何回か、後ろに乗せてもらったんです」
懐かしい。
そう思いながらバブを見ながら思って、真一郎君に乗せてもらったのを思い出した。
乗る時の風と排気音。
そしてコール音が今も耳に残っているが…懐かしさの中に罪悪感がある。
「今度乗る?」
「え?」
「バブの後ろに乗りなよ」
「……ありがとうございます」
嬉しくなって思わず微笑む。
すると佐野先輩が少しだけ目を見開かせていて、いつの間にか佐野先輩の後ろにいた龍宮寺先輩もである。
なんか失礼な事を考えているな。
俺は直ぐにその事に気が付いて、眉間に皺を寄せていれば佐野先輩は驚いた表情のままで口を開く。
「イズミっちって、そんな風にも笑えるんだ」
「は?」
「イズミっち、お前普通に笑えるんだな」
「失礼ですね。俺も普通に笑いますよ」
俺は笑わないとでも思われているのだろうか。
そう思って溜息を零していれば、三ツ谷先輩か後ろで笑っているのが分かった。
「和泉は普通に笑うぞー」
「は?何??自慢?」
「お前、イズミっちに懐かれてないからって拗ねんなよ」
「はぁ!?何、ケンチン!?」
ホントに佐野先輩って俺より年上なのかよ。
溜息を零していれば、佐野先輩は怒りながらも俺の方へと視線を投げてきた。
「そうだ。イズミっちに会わせてぇ奴がいるんだよ」
「俺に、会わせたい奴?」
「そう。場地ーーー!!!」
「場地……?」
聞いた事がある苗字。
その苗字を耳にして、眉を少し動かしていればある1人の人物が此方にやって来た。
「なんだよ、マイキー」
「場地。コイツ、誰か分かる?」
「あ?」
黒い艶のあるロングの髪の毛に、特徴的な八重歯が覗く口元に俺は眉を寄せる。
そして相手側も眉を寄せていたが、直ぐに大きく目を見開き俺も目を見開かせた。
「和泉!?」
「けーすけ君!?」
「やっぱ、知ってたか」
「お前、ここで何やってんだよ!!」
「それは俺のセリフでもあるけどね!?」