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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


ー和泉sideー


八戒が全く目を合わせなくなってしまった。
顔を俯かせてたまにチラッとこちらを見てくる感じであり、俺は三ツ谷先輩を見る。


「八戒、お前大丈夫か?」

「ダイジョバナイ…」

「声ちっさ」

「ナンデオンナノ」


その問に俺は思わず笑いながら何と説明しようかと悩んだ。
正直に自分の身のうちを話すべきか、それとも多少は誤魔化して話すべきか。

苦笑を浮かべていれば八戒はチラチラと見てきて、まるで怯えている子犬のようだ。
だが隠していても面倒なので全て話す事にした。


「実はな…」


俺はゆっくりと男装をしている理由について説明をすれば、途中三ツ谷先輩が眉間に皺を寄せている場面があった。
そして話終えると八戒も眉間に皺を寄せている。


「あの噂、本当だったんだ」

「噂?」

「神澤家の人間は、当主の長子が女なら男装させて男として育てるって噂…」

「……そんな、噂があったのか」


どこから出た噂なのだろうか。
もしかしたら分家の人達が本家への嫌がらせで噂を流したいたかもしれない。
うちの家系昔から本家と分家はほんと仲が悪いものだから…。


(今度分家行ったら聞いてみるか…)


うーんと悩んでいながら、八戒を見ればカチカチに固まっているまま。
本当に女子が苦手なんだなと思いながら、触れたらどうなるかと思いニヤッと笑った。


「八戒て、女苦手なんだっけ?」

「え、あ、うん」

「へぇ〜?」

「和泉、お前何か企んでるよな」


引き攣ったような笑みを浮かべている三ツ谷先輩と、何をされるか分かっていない八戒。
そして俺はピトッと八戒の足に触れた瞬間…。


「ピギッ」

「ぶはっ!!」


変な声を出したと思えば八戒は固まってしまい、しかも口も開いたまま。
それがかなり面白くて吹いていれば三ツ谷先輩が苦笑を浮かべながら溜息をついていた。


「和泉、あんまイジメないでやってくれ…」

「すみません…んふっ、ふふふっ」

「タカチャン、タスケテ」

「お前はいい加減女の子に慣れろよなぁ。柚葉いるのに」

「柚葉?」

「八戒の1個上の姉貴」

「お姉さんいるのに女が苦手なのかよ…」


逆にお姉さんしか接触してこなかったから女が苦手なのだろうか。
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