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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


「ふはっ!誰でもかんでもあんま信用したりするなよ。男は狼って言うんだから」


真剣な表情から一転、三ツ谷は笑いながら和泉の頭をわしゃわしゃと撫でた。
さっきの表情が忘れれない和泉はポカン…としかがらも、乱れた髪の毛を手ぐしで直す。


「ガーゼ貼っとくな。病院はまた行くのか?」

「あ、はい…。明日か明後日には行こうかなと思って」


本当は明日来てくれと言われたが、恐らく抗争の疲れで一日中寝てしまいそうなので明後日にしてもらった。
基本和泉は休みの日は寝たい人間なので、病院等は怠く行きたくない。

そのせいでか風邪は悪化するし、傷跡も残ったりとしている為親戚に医者がいて『お前は医者泣かせだな』と言われているぐらいだ。


「うっ、ううう…」

「お、八戒起きるか?」

「起きますかね…」


ジャージを気直しながら、和泉は意識を飛ばしている八戒の顔を覗き込む。
唸り声をあげており、瞼も動いているのでそろそろ起きそうだ。


「和泉、また卒倒しそうだから少し離れてやっといてくれ」

「分かりました」

「…んぅ…はっ!!」


和泉が離れて距離を取ったのと同時に、八戒の目は開いてから飛び起きた。
そして辺りを素早く見てから和泉を見つけると、目を大きく見開かせる。

もしやあの時は見間違いだったかもしれない。
和泉は女のように綺麗な顔立ちなので、一瞬女に見えたかもしれない…と思っていたがやはり女であった。


「た、たかたかたかたかたかたタカちゃんっっ!!!和泉が女!!!!」

「おまえ、うるせぇーよ」

「酷いっっ!!!!なんで女なの!?なんで男じゃないの!!??」

「何でって言われてもなぁ…。産まれた時から俺、女だし…」


八戒の驚きように和泉は苦笑を浮かべる。
三ツ谷からは彼は女に対しての免疫が無いと言ってはいたが、本当に免疫が無いのだなと三ツ谷の足に隠れようとしている彼を見て思った。


「タカちゃん知ってたの!?」

「知ってた」

「知ってたの!?え!?」

「なんなら、マイキーとドラケンも知ってる」

「嘘ぉぉぉ!!??」

「お前うるせぇよ!ルナとマナが起きちまうだろ!」


騒がしい八戒の頭を三ツ谷は思いっきり、清々しい程いい音で叩いた。
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