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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


「タカちゃんおかえりー、すごい早かったね」

「まぁな…。八戒、お前脱衣所行ってないよな…」

「行ってないよ?」

「そっか…なら、良い…」


鉢合わせしていなくて良かった…と深い深い溜息をつきながら、八戒に下着を渡してからまた緊張しながら脱衣所へと向かう。
風呂から出ていなければ良いけど……と心配しながら脱衣所をノックすると反応はない。

つまりまだ浴室に居る。
ゆっくりと扉を開ければ、まだ浴室からはシャワーの音が聞こえてホッとした。


「置いとけばいいか…」


下着をコンビニ袋に入れたまま置いてから、三ツ谷はそっと脱衣所から出た。
そして居間でテレビをながらパンツ一丁の八戒に溜息をつく。


「八戒…せめて腰にバスタオル巻けよ……」

「えー?なんで?」

「一応、巻いとけ!」


八戒は和泉が女と知らないので、何故男しか起きてないのに巻かなきゃいけないんだと不貞腐れながら腰に一応バスタオルは巻いた。
その様子にホッとしながら三ツ谷は救急箱を取り出す。


「救急箱?」

「和泉、肩怪我してただろ。風呂から上がった消毒と手当はしとかねぇと…」

「そういえばさ、あの半間ってやつ和泉と知り合いみたいだったよなぁ」


八戒は途中で来たので、半間と和泉が幼馴染だという事は知らない。
ただ抗争中に話ている所を見ていたので、知り合いなのかなとは思っていた。


「幼馴染らしい」

「え!!??和泉の幼馴染って、あの花垣武道だけじゃないの?」

「いや、違うみてぇ…。なんか和泉、小さい頃は歌舞伎町にいたみたいでその時の幼馴染だって」

「へぇ……そうなんだ」

「まぁ、あの半間修二が愛美愛主側の人間とは知らなかったみたいだけどな」


驚き方やあの表情から直ぐに分かった。
怒りと悔しさと何処か悲しそうな…色んなのが混じったあの表情。
初めてあんな和泉の表情を見た三ツ谷は何とも言えなかった。

三ツ谷は黙々と救急箱から手当する為の道具を出していると、部屋に着信音が響いた。
誰の携帯かと思えば和泉の携帯からである。


「あ、和泉の携帯鳴ってんじゃん」

「だな」

「ちょっとオレ届けてくる!」

「は!?ちょ、八戒待て!!届けなくていいから!」

「えー!?鳴ってんのに!?」
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