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The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第3章 8・3抗争


その八戒の言葉にピシッと和泉は固まる。
抱き締められた時に匂いが移ったのだろうけれども、そんな長い間じゃなかったのに…と考えた。
そして今更抱き締められた事に対して少しだけ、恥ずかしくなってくる。


(さりげなく抱き締められてたな…。異性に抱きしめられるのってそんな無いから…)


この辺りは女の子なのだろう。
流石に異性に抱きしめられると恥ずかしさはあり、和泉が頬をかいてた時である。


「あ、タカちゃん!」

「和泉戻ってきてたんだな」

「はい、すみません。お待たせしてしまって…」

「いや大丈夫。んじゃ、帰るか」


三ツ谷は笑みを浮かべていたが、和泉はその笑みに違和感を感じていた。
笑顔だけど目は笑っていなくてそれに違和感を感じながらも、理由を聞くにも何故か聞いてはいけないような気がして口を閉ざす。


「風呂入りたい〜!雨と汗で気持ち悪い!!」

「確かにな」

「そうだな…」


2人と会話しながら和泉の脳裏には半間が思い浮かんでいた。
抗争からは途中離脱していたので彼がどうなったかは分からず、だが半間の事だから大怪我はしていないだろうなと思いながらも眉間に皺が寄る。

彼女の中では怒りと悔しさがあった。
嘘をつかれた事、何も言ってくれなかった事等色んなモノが入り交じっている状態。


(……修二の奴、なんで…)


理由が分からず悔しさが大きくなり唇を噛み締めながら、和泉は三ツ谷の家に戻ってきた。
直ぐに三ツ谷はバスタオルなどを持ってくると、彼女と八戒の頭を被せる。


「和泉、先にシャワー浴びてこいよ。着替えは置いとくから」

「…え、先でいいんですか?」

「先で良いよ。ほら、行ってこい」

「じゃあ、お先に失礼します…」


ペコッと頭を下げる彼女に三ツ谷は相変わらずお堅いなぁと思いながらも、着替えを用意しなければと考える。
雨で濡れたので下着も濡れている筈だ。


「タカちゃん、オレ前に泊まった時着替え置いてたけど下着なかったよね?」

「…下着、コンビニで買ってくるわ」

「ついでにお菓子!」

「菓子は買わねぇよ。あとでなんか作るから」


和泉の着替えの下着を買う。
つまり女物の下着を買わなければならない…その事に三ツ谷は狼狽えてしまった。
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