第42章 未来は過去に
少年はリュックをがっちり掴んだまま動かない
ガイ「あー……もしかして…家出?」
『家出?』
「家出じゃない、自立だ」
ガイ「……自立?」
少年は頷いた
ガイ「へぇ〜、それじゃあ君のお母さんはフリーの記者なんだ」
「うん。新しい仕事が始まるたびにすぐ引越しするんだ…。じっくり丁寧に取材したいからって…。堪んないよ…。うち…お父さんいないから、俺も一緒に行かなきゃなんないのにさ…」
ガイ「そっか……転校が嫌で家出…じゃなくて、自立したいんだ」
「仲良くなっても…すぐお別れだろ…?しかも今度はアメリカとか言ってるし…。俺このままじゃ一生友達出来ないよ…」
ガイ「それって……お母さんのせいなのかな」
「決まってるだろ。俺にはどうしようもないじゃないか」
ガイ「俺も…子供の頃、親の都合であっちこっち引っ越したけど…でも、いっぱい友達できたよ」
「え…?何で?引っ越ししてたら友達なんてできっこないじゃん」
ガイ「逆だよ。たくさん引っ越ししたから、たくさん友達ができたんだ。いろんな街に」
「………」
ガイ「新しい街に行く度に、頑張って話しかけるんだ。ウザいとか、しつこいとか言われたって色んな子にいっぱい。確かに、自分じゃどうしようもできないこともある。それでも、自分にできることを探して、やってみれば、自分の明日ぐらい変えられる」
『ガイ…』
ガイ「俺はそう思ってるけどね!」
「…自分の……明日…?」
ガイ「うん」
『ガイ』
ガイ「はい?」
『何か来る』
ガイ「!」
耳を澄ますと足音が階段を登ってくる
現れたのは見たことのない怪物
「うわ…また何か来た…」
ガイとは少年の前に立ち構える
《寝隠神社、破壊!》
ガイ「何…!?」
『破壊ってまさか…!』
《ショット!!》
怪物は体からミサイルを発射
ガイ「ゴーカイチェンジ!」
『クリスタルロッド!』
ガイとはミサイル砲を上空へ弾き飛ばす
ドォォォン!
《!何!?》
ガイ《ここでじっとしてろ!》
『ガイ!』
ガイ《その子お願いします!》
ガイは怪物に飛びかかり、一緒に離れた場所まで飛んだ
『ガイ…』