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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


「逆に俺はこういう生き方しか知らないから。今が楽しいって事を継続してるだけ」
「そっか。……そういうのって素敵だなぁ。シンプルだけど芯がしっかりしてるって言うか。私もそんな風に思えたらいいな」
「だからここに来たんだろ?いちかちゃんがこの島に来たのだって偶然じゃないと思うよ」
「必然ってやつ?」
「そう。ここに来るのも決まってたんだよ。例えばここから見える景色もさ、ここに来て良かったって思うならそれだけで意味があるじゃん。そう思わせてくれる過去の出来事も全部今に繋がってんだなって思うと無駄なもんなんてないじゃん」

まっすぐに前を見てスイカを頬ばるその横顔は自信に満ちていている。

私だって何度もそう言い聞かせてきた。将来を期待したいから、二人でいつかは幸せになりたいから、だから我慢だってできたの。…でもね、いつも独りよがりな気がして自信がなくて不安に埋もれていた。

鉄朗と別れたことは後悔していない。でも時々押し寄せる不安がとても怖かった。

「こうやって一緒にスイカ食えるのだって俺は嬉しいよ?」

優しい言葉に思わず涙が込み上がってくる。スイカの甘さの次は少しだけしょっぱいような切なさが広がっていく。

「こっちきて」
「え?」
「ここ」

そう言って指さすのは光太郎さんの膝。

「どうするの?」
「んー?抱きしめたいから」
「ええ?」
「ほら、いいからおいで」

腕を引かれて思わず倒れ込む。唇が触れそうなくらいの至近距離に顔をそらすけど、光太郎さんは器用に抱き抱えて膝の上にすっぽりと収まる。

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