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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


「じゃあいちかちゃんも移住する?最近多いのよ、移住希望者って」
「またそんな急に。希望者って言っても実際に移住したのは数名でしょ?」
「それでもいいじゃん。過疎るよりは…」
「そうですけど…。あ、気にしないでくださいね」
「じゃあ就職決まらなかった島に移住も選択肢にいれておこうかな」
「いいねー。そんときは俺もあかーしもウエルカムだから」
「またそうやって調子にのる…」
「いいだろ。特に若い子に来てほしいんだから」
「来てくれるといいですね。私も東京帰ったら進路について真剣に考えなきゃ」
「それは帰ってからでいいじゃん。しばらくは頭空っぽでのんびりしようぜ」
「うん、そうする」
「木兎さんはいつも空っぽですけどね」
「そうそう、折角の夏なんだから楽しもうぜ!」

将来のことなんてなにひとつ決まってないのに一瞬だけど移住って選択肢もいいなって思った。それくらい居心地がよくてこの場所が好きになりつつあったから。

あれからしばらく話し込んで民宿に戻ったときにはお昼前だった。ほどよい眠気にあくびをしていたらここで寝ればと何故か食堂へ案内された。一番クーラーが効く部屋だからとだれもいない部屋でしばらく横にならせて貰っていた。

並べた座布団にタオルケット代わりのバスタオル。テレビからは誰かが歌う歌謡曲が流れてこれからサビに入るって時に鐘の音が遮る。リアルタイムな番組なのにどこか古くさい音色で懐かしさすら感じていた。

窓からは光太郎さんが水やりをしてる姿が見えて時々私に手を振ってくれてる。それだけで安らいだ気持ちになって気にかけて貰える嬉しさに心が満たされていく。こうやってすぐ傍に誰かがいてくれるのっていいな…、そんなことを感じながら目を閉じた。






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