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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


「どうかしましたか?」
「いえ、何も…」
「あかーし!ところてん二つな」
「え、ところてん?」
「そう。ここの手作りで夏になると作ってんだよな、暇だからって」
「暇は余計です。木兎さんが毎年食べたいって言うからでしょ」
「そうそう。そうなんだけどな。これ食わなきゃ夏が始まらねぇじゃん」
「そう言ってあんた何回も食べにきてるでしょ!?」
「細かいことはいいんだよ、いちかちゃんもそれでいい?」
「でも私、食べたことないんですけど」
「寒天は好きですか?」
「あんみつに入ってる四角いゼリーみたいなのですよね?」
「そう。それと同じものです。黒蜜でも酢醤油でもすっきりして美味しいですよ」
「俺、白だしな」
「おだしもかけるんですか?」
「結構合うんだよ。いちかちゃんどうする?」
「お酢が苦手なので…、じゃあ黒蜜でお願いします」
「了解しました。ちょっと待っててください」

風が吹き抜けていくと風鈴が涼しげな音を奏でていく。年季の入ったテーブルにはいくつもの擦れたシールの後。光太郎さんや京治さんが子どもの頃使っていたものかもしれない。昔、夏の暑い日に駄菓子屋さんでラムネを買って飲んでいた懐かしい記憶が蘇って束の間のノスタルジーに浸っていた。
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