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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


≫赤葦side

もうすぐ店じまいといった時間に木兎さんのところの宿泊客がもう一度戻ってきた。

「あれ?どうしたんですか?」
「外呑みが気持ちよくて今日はもう少し飲もうかと思って」
「そうですか」

さっきよりも表情が柔らかでさっき買っていったカップ酒でも飲んできたんだろうか…、ご機嫌な様子でお酒のコーナーの棚を覗いている。

「木兎さん帰ってきました?」
「そういえばまだ見てないな…」
「まだ釣ってるんですかね…」
「よっぽど釣りが好きなんですね」

くすくすと笑う横顔はほんのりと紅い。籠には日本酒だけでなく発泡酒やサワーなんかの缶を入れている。一人で飲む量には少し多いような…。

「それ、一人で飲むんですか?」
「せっかく息抜きに来てるんだもん、たまには」
「酔っ払って海に落ちないでくださいよ」
「大丈夫ですよ、泳げるし」
「夜の海は波も高いし本当に危険ですから」
「はーい、気をつけます」

会計の時、ふわっと香ってくるお酒の匂いと危機感のない様子にさすがにこのままじゃ…と不安になる。

「ちょっとここで待っててくださいね」
「え?」
「まだ時間はありますよね?」
「時間はありますけど…、お店は?」
「店は閉めますけど、丁度いいおつまみがあるんです。作ってくるんでちょっと待っててください」
「いいんですか?」
「気にしないでください。よく木兎さんに注文されて作るんで。その辺に座って適当に待っててください」

そう言い残して店を出てから木兎さんに連絡を入れる。もう近くまで帰ってきていたようで電話を切った後、遠くで原付の音が聞こえてきていた。
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