第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生
「… いちかもさ、岩ちゃんがくるっていうんで一人イカずにずっと我慢してたんだよ?」
「いちかに何させた?」
「見て分かんない?俺はさ、二人のセックスが見たかったんだよね。どんなことしてるのか聞いてるうちに興味が出ちゃって。だから今日は特別に見せてもらおうかなって」
「んなこと…」
「…できないって言ったら可哀想じゃん。早くいちかのこと助けてあげたら?」
いちかは今も小さく息をしながら俺の方をずっと見つめている。どうしてこうなったのか、いつからこの状態なのか…、問いただしたい事は沢山あっても涙目で訴えるいちかをただ抱き締めるしかない。
「……大丈夫、か?」
「……せんせ、…も、イキたい…」
こんな状況でさえの姿に興奮を覚えている自分が情けないのに、目の前の彼女がどうしようもなく愛おしいなんて…、最低だ。
「……て、ください」
「なんだ?今、なんつった?」
「…挿れて、?」
そう懇願するいちかに俺自身も限界だった。汗ばんだ額にキスをし、戸惑いながらも唇に触れる。怖がらせないようにとゆっくりと顔を近付けて軽く触れると、いちかの体が大きく跳ねる。息遣いが荒くなり、体の力が抜けてとろんとした瞳が俺を捉える。
「ははっ。もしかしてキスしただけでイッちゃったの?岩ちゃんのなんて挿れたら意識飛んじゃうかもよ?」
嘲笑う様に放たれた言葉に自分の中で何かがプツリと切れる。及川に対しての怒りやいろんな感情が複雑に絡んで胸ははち切れそうだったが、何故か妙に冷静だった。
「及川、ゴム持ってるか?」
「……あるよ」
「悪い。貸してくれ」
「………ん」
及川が机の引き出しから避妊具の袋を取り出し俺に渡す。
「いちかの手足縛ってる紐、解いてくれ」
「そうだね。岩ちゃんもその気になってくれたみたいだし」
俺の言うことを素直に応じていちか手足を縛っていた紐を外していく。
「痛かったよね…。ごめんね」
そう言いながらいちかの唇に自分の唇を押し当てるように重ねる。いちかの小さな唇が及川からの強引なキスを受け入れて、それだけでも十分にクラクラしそうな光景だった。