第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生
窓から差し込む光を背に受けながら先生は呟いた。
それから何度も絶頂を迎える直前で行為をやめ、また愛撫を繰り返す。もう私の理性はもうほとんど働いていなくて、ただイカせて貰えないこの状況をどうにかして欲しいと、それだけだった。荒い呼吸の中、思いついたように先生がスマホを取り出すとどこかに電話をかけ始める。
電話をかける人なんて一人しかいない。嫌な予感がしたけど、すぐに予感は的中した。
「あ、岩ちゃん…?急で悪いんだけどさ、今から俺の準備室に来れる?………今ね面白いもの見せるから、モードを切り替えてくれる?」
そう告げるとスマホで何か操作をした後、こちらにスマホを向ける。ダメっと思って目を背けても、すでに遅くて岩泉先生の戸惑った声が耳に入る。
「………見えた?… いちかがさ、この姿をどうしても岩ちゃんに見てもらいたくて、……それで触ってほしんだって」
好きな人にこんな姿を見られて恥ずかしくて顔から火が噴き出そうなのに。なのに先生が来ることを期待している自分。こんな私を先生は抱いてくれるのだろうかと、淡い期待すら持ってしまう。
「よかったね、いちか。今からすぐに来るって…」
通話を切った先生がどこか満足気に笑って、そして私を宥めるように優しく抱きしめる。
「いちかのこんな姿を見せたいと思うのは岩ちゃんだけなんだから」
どうしてなのかは分からない。だけど先生の切なげな声に、涙が溢れた。