第13章 ❤︎ 岩泉先生の彼女と及川先生
そして今日も人気のない教室で及川先生と向かい合う。私のスマホは机の上。電源も切られてるからなんの役割も果たさない。
「へぇ、岩ちゃんと旅行行くんだ…」
私たちの事は逐一先生に報告する事になっていた。言いたくなくても後のことを考えるのが怖い…。
「でも…、そんな話をしただけです。決定したわけじゃないです」
「いい御身分だよね。自分の愛する恋人は俺のためにこんなに頑張ってるのにさ…」
「もう…、慣れました」
「へぇ…。生意気な口聞くようになったんだ。最近舐めるのも気持ちよさそうな表情してるもんね」
「そんな事ないです」
当たり前だけど、したくてしてる訳じゃない。全部岩泉先生のためだから…、そう思ってるのに先生の冷たい視線が向けられると体の奥が疼きそうになるのも事実。
「それで?今日は持ってきてくれた?」
「はい…」
それは以前にホテルで買ったコスプレ用のセーラー服。どんな行為をしてるのかまで全部報告済みだった。
「へぇ…、こんなのが趣味なんだ。俺だったら制服はないけど…。まぁいいや。じゃあここで着替えてくれる?」
「……はい」
指示通りにシャツのボタンに手をかけて躊躇う事なく脱いでいく。着慣れないないセーラー服に袖を通しながら先生からの視姦するような眼差しが体に向けられる。この前は下着姿のまま求められたし、今日あまだ服を着てるだけマシだとそう自分に言い聞かせた。
「セーラーも似合うね。岩ちゃんって結構いい趣味してるのかな」
満足そうに笑って体を引き寄せ抱き締める。耳たぶに触れそうになるくらいに口を寄せて“いい子だね…”って囁く。先生ってことを忘れてしまうくらいの甘い吐息が心にも体にも魔法をかけるみたいに浸透していく。