第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
花「そうだな。俺も運転自信ない」
松「さんきゅ。じゃあ今度の日曜日、会員制倉庫型チェーン店行く?俺、会員だし」
「あの座布団みたいなピザ売ってるとこ!?」
松「そう。親がカード作るとき俺のも作ってもらってた。せっかくなら必要なもの全部買ってこう」
「嬉しい!私一回行ってみたかったの」
及「え、でもちょっと待って。買い出し三人までいいんだよね?じゃああと一枠空いてない?」
岩「そういやそうだな」
花「じゃああと一人はあみだくじでもする?」
岩「そうだな。そっちのが公平だし」
及「いいよ。俺、こういう時の勝負やたら強いから」
花「俺も行きたいっ」
松「じゃあその紙に俺といちかが適当に書いて作るからお前ら引いたら?」
「どんだけ買い物に行きたいのよ」
及「買い物もしたいけど、俺はいちかとお出かけがしたいの!」
「なにそれ子供みたい」
及「なんでもいいじゃん。ね、早く作ってよ」
子供みたいに目を輝かせた徹が紙とペンを差し出す。松川が受け取って適当に線を引いていくのを眺めながらふと思った。確かにずっとどこにも出かけられない生活が続いていたんだもん、出かけたい気持ちは分かる。私だって嬉しいし、好きなだけ買い物ができるって思うとワクワクしてる。
松「じゃあ順番はじゃんけんで」
花「OK!」
岩「ま、これはこれで公平だし文句言えねぇよな」
及「じゃあいくよ…。誰が選ばれても恨みっこなしで………じゃーん、けーん…」
そして最後の一枠を勝見事に勝ち取ったのは及川だった。及川の選んだラインは見事ハートマークへと続いている。手を震わせながら紙を見てちょっとだけ涙目になってる。さすがに大袈裟すぎない?って思ったけど、及川の不運を思えばこれくらいのご褒美があってもよかったのかなとも思えた。
まだ不安な情報に振り回されているけど束の間の休息ということで、日曜日が待ち遠しかった。