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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア


松川は片付けと言って部屋に籠ったまま二時間くらい出てこなかった。別にこのまま顔を見なくてもいいけどやっぱり意識はしてしまう。スマホの充電器を取りに自室に戻った後で、つい隣の部屋の様子が気になって部屋の前へと来てしまっていた。

「松川ー?」
「何?」
「入っていい?」

そう言うと返事が返ってくる前にドアが開かれた。今はもう使っていない勉強机には勉強していたのか、ノートとパソコンが置いてある。

「あれ?今勉強中だった?」
「片付けも終わったからレポートしてた。でもそろそろ休憩しようかと思って」
「じゃあさ、お茶しようよ。私も暇でさぁ、話し相手してよ」
「いいよ。…やっぱ俺がいてよかっただろ?」
「まぁ確かに。こうやってすぐに誰かと話ができる環境って悪くはないよね」
「俺がいなくて淋しかった?」
「淋し…、かったのかなぁ。分かんないけど」
「待ってて。片付けたらすぐ行くから」
「うん。じゃあ紅茶用意しとくから」
「了解」

部屋中が紅茶の香りに包まれる頃、松川とソファーに並んで腰掛けながら紅茶を飲む。さっきりんご食べたのにそれじゃ物足りなくてとっておきのクッキーまで出してしまった。誰かといる安心感と美味しいお菓子。ずっと一人だったから何を食べても味気なかったし、今は感染拡大を知らせる夕方のニュースも不思議と怖くない。

「ねぇ、松川」
「ん?」
「こうやって二人でいると昔の事思い出しちゃう」
「例えば?」
「私たちなんで別れちゃったんだっけ?」
「急だな」
「だって元カレと元カノがこうやってまた一緒にいるんだよ?考えちゃうよ」
「まぁな。確か俺が他の女の子にも優しくしてたからだろ?そんなつもりはなかったんだけどな」
「つまんない理由だね」
「今はそう思う?あの時はすごく怒ってて手が付けられなかったけど」
「別れて後悔するならもっと素直になればよかったって思ったよ、何度かね」
「大人になったな」
「松川はずっと大人だったよね、老け顔だし」
「酷い言われようだな」
「ごめん。でもあの頃と変わらず今も格好いいよ」

ころんと松川の肩に凭れ掛かった。もう彼女でもないのになんでだろう。松川なら応えてくれる気がした。
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