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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第44章 雨上がり種植えつけられる✳︎煉獄さん※裏表現有


その後、杏寿郎さんが持ってきた稽古用の袴に着替えた蜜璃ちゃんは、床に額を赤くなるまで擦り付けながら謝り倒してきた。

もちろん私も杏寿郎さんも、蜜璃ちゃんに謝られる必要などなく、気にしないでほしいと何度も何度も伝えたのだが


”煉獄さんにすずねちゃん…2人にこんなにも迷惑かけて私ったら本当に駄目ね……あとで必ずお詫びとお礼をしに来るわ!”


と言い残し、しのぶさんの診察を受けるため風のように蝶屋敷へと去っていった。

半日も立たないうちに日常の姿を取り戻した私と杏寿郎さんは


「……取り合えず、ご飯の準備でもしましょうか」

「そうだな。俺も何か手伝おう!」

「……お気持ちだけ、いただいておきます」

「よもや!」


昼食を取り、杏寿郎さんが見回りに出るまでの時間をいつも通り過ごすことになった……と、思っていたのだが。

最後のお皿を洗い終え、水場の横に置いたその時


「…っ…」

「それで終わりだな?」


日輪刀を手入れしていたはずの杏寿郎さんが、フッと私の背後に現れ、私の腹部に両腕を回し、抱き着いて来た。

私は


「…っ…終わり…ましたけど…」


驚きと戸惑いで、答えに詰まってしまう。


「そうか」


杏寿郎さんはお皿に触れたままの私の右手に、その大きな右手を重ねギュッと握った。それから私の手ごと、私の身体を再びギュッと抱きしめた。


……これは…誘われてるのかな…?…でも……今日は夕方から任務で…非番じゃないはずなのに…


そんなことを考えていると、杏寿郎さんが私の耳元に唇を寄せて来た。


「…幼い甘露寺を世話する君を見ていたら、君との子が無性に欲しくなってしまった」

「…っ…耳…くすぐったいです…」

「君は本当に耳が弱いな…可愛い」


そして、大きな左手が私の下腹部をいやらしい手つきで撫で、ゾクゾクと女の本能に火をつけ始めた。

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