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鰯料理の盛合せ【鬼滅短編・中編・長編番外編】

第41章 今世の私も、余す事なくもらってください✳︎不死川さん※微裏有


この男は何を当たり前のことを言っているんだろう?


そう思った私だが、それを口に出すことは流石に嫌味たらしいので心の中で思うだけに留めた。

けれども


「…まぁ、君なんてただの遊びの対象としか考えてなかったからどうだっていいけど。この俺に恥をかかせたんだから、来週からどんな扱いを受けても文句言えないからな?」


最後に七光男は"せいぜい後悔するんだな!"と、the捨て台詞を吐き


「おいちょっと待てェ!」


実弥さんが呼び止める声を無視し、人混みに紛れるように去って行った。


「わぁお。絵に描いたような最低加減。逆に感心してしまいます」


あっという間に見えなくなってしまった背中を笑いながら見ていた私に反し



「……さっきのはどう言う意味であいつは何なんだ?」


実弥さんは両腕を身体の前で組み、眉間に深い皺を寄せながらそう尋ねてきた。


「あの人、新入社員にちょっかいを出す常習犯らしいです」

「あァん?今回のターゲットはお前ってわけか?」

「みたいですね。私は実弥さんのものだって言うのに、極めて迷惑な男です」


実弥さんの組まれている腕に半ば無理矢理腕を差し込み、昔ほどではないがしっかりと鍛えてある腕に絡みついた。


「お前を選ぶたァ…変わった趣味の野郎だな」

「やだもう実弥さんったら!素直に俺のすずねにちょっかい出すなって言ってくれていいんですよ?」

「…馬鹿言ってんじゃねェよ。つゥか扱いがどうのって言ってたがァ、ありゃどう言う意味だ?」


実弥さんはそう言いながら人混みに向けていた視線を私へと寄越してきた。


「あれは多分、来週から何らかの嫌がらせでも仕掛けてくるつもりなんだと思います。本当にくだらない小さな男…」


何をされようが特に気にしない自信のある私は平然としながらそう答える。その一方で


「はァ?んなことあるわきゃねェだろ」


実弥さんは私の言っていることがあまりピンと来ないのか、眉間の皺を深めた。

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