第1章 愛しの及川さん
18.側にいて欲しいの
「。おはよう」
「あ、うん。おはよう」
私はあのまま寝ちゃったんだ。
「。今日、暇?」
「えっ?うん」
「じゃあ、ちょっと付き合って欲しいんだけど」
「いいよ」
一度、家に帰り、身支度を整える。
それから徹と待ち合わせした場所に向かった。
「。こっち」
手を振る徹は女の子に囲まれている。
どうしよう…
あんな所に突き進んでいく勇気を、私は持ち合わせていない。
困り立ち止まっていると、徹の方から私の元へ来てくれた。
「ごめんね。及川さんモテるから」
「知ってる」
ヘラリと笑う徹は女の子に人気がある。
「及川さん、その人は?」
勇気ある女の子が、私と徹の関係を聞いてきた。
徹はニッコリと笑う。
「及川さんのお嫁さんになる人かな?」
私は彼の取り巻きの女の子と共に、ポカーンとしてしまった。
貴方は、爽やかな顔でとんでもない爆弾発言をするのね。
でもね、そんな貴方に側にいて欲しいの。