第7章 夏の思い出
侑「・・マジか。俺サイテーやん…だからあんなギンギンやったんか…」
がっくりと肩を落として項垂れる侑君。
「寝ぼけてたのでしょうがないですが…以後、気をつけた方がいいですよ。私の事は気にしなくていいですから。」
侑「いや、気にするわ!ともみちゃん、嫌な思いさせてごめんな?」
「もう大丈夫ですよ。でも何で1人だけソファで寝てたんですか?」
侑君はバッと顔を上げると、急に怒り出した。
侑「そうや!そもそもそこや!トランプの勝敗なんかでベッドを賭けたんが悪い‼︎」
話を聞くと、部屋に2つしかないベッドを賭けて治君と倫太郎君と3人でトランプをしたようだ。
侑「結局俺が負けて、かよこさんが用意してくれた布団で寝ようかと思ったんやけど、ここのが寝心地良かったんやもん。」
そう言いながら侑君はコテンとソファに頭をもたげ目を閉じた。
「フフッ」
侑君のコロコロと変わる表情が可笑しくてつい笑ってしまった。
片目を開きこちらを見る侑君。
侑「・・・ともみちゃんの笑顔はすごい破壊力やな。」
「フフッ、侑君の顔が可笑しくて。」
侑「ハッ失礼やな?人が真面目に反省しとるのに。」
「ごめんなさい。」
笑って謝ると、侑君はソファに顔を埋め、手の平を私に向けて伸ばした。
侑「せやからソレ!破壊力凄いから‼︎至近距離でそれはアカン‼︎また元気になったらどないするん⁈」
変な事を言うなぁと笑っていると、ふと窓の外が明るくなってきている事に気がついた。
「もうすぐ日が昇りますよ。テラスから見える景色、絶景なんです。」