第7章 夏の思い出
大した高さではないからほとんど痛みは無いが、、、
「・・・っ重」
侑君の足にホールドされていたせいで、侑君も一緒に落ち、今度は私が下に組み敷かれている状態になってしまった。
侑君は私のお腹の上でスヤスヤと眠っているがさすがに重い…。
「侑君、起きて下さい…お、重いです…」
ペチペチと頭を叩くと、ようやく起きたのか、もぞもぞと動き始めた。
侑「・・・あれ?」
顔を上げた侑君と目が合うと、眠そうな目はパチパチと瞬きを繰り返す。
「・・おはようございます。」
侑「・・あれ、、ともみちゃん?」
「侑君、、下りてもらえますか…?」
侑君はようやく自分の状況を理解したようで、慌てて私の上から飛びのいた。
侑「えー⁉︎ちょ、ちょ、ちょっと待って⁈何コレ?俺やってもうた⁉︎いや、やってへん‼︎・・・よな⁇」
パニック状態の侑君はキョロキョロと辺りを見回したり頭を抱えたりしている。
私も起き上がり、捲れたシャツを直すと床に座った。
「侑君、とりあえずそこに落ちてるTシャツを着て下さい。」
侑「・・せ、せやな。・・・ん?ってあかーん‼︎ちょっと、ともみちゃん!向こう向いとって‼︎」
今更?と思い首を傾げる。
侑君は私にクルッと背中を向け胡座をかくと何やらゴソゴソしている。
侑「・・・あかん。治まらへん…何でこんな元気になってるん?・・・ともみちゃん誤解せんといてや?・・コレは生理現象や。」
「生理現象…?」
・・・あ。
私でも少しぐらい知識はある。
なんとなく状況が理解出来た途端、私まで恥ずかしくなってきて慌てて視線を逸らす。
侑「・・・あかん。ちょっとトイレ行ってくるわ。」
侑君はTシャツを片手にそのままいそいそとリビングを出て行った。