第32章 侑end
佐々木「そーそー、良い男ついでに今から侑君の奢りで飲み直そう!って話しやんな?」
治「せやなっ今日はお祝いや!
店は貸切にしてツムの奢りで飲んだろっ‼︎」
夕子ちゃんと治君のテンションは高く、そそくさとカウンターの中へ入って行った。
治君がサーバーからビールを注ぎ、夕子ちゃんは何やらつまみを物色しているようだった。
そんな2人を見ながら私と侑君はカウンター席に肩を並べて座った。
「フフッ、治君も何だか嬉しそうだね?」
侑「せやな、、サムにはいっぱい助けてもろうたからな…。
自分の事のように思うてるんかもしれへんな。」
「さすが双子だね。」
侑「俺が落ち込んだ時とかバレーで壁にぶち当たった時、いっつもここに来とった。
サムはショボくれる俺を面倒臭そうな顔で見ながらも、ちゃんと話し聞いてくれるからな。
結局問題は解決せーへんのやけど、最後は美味い握り飯を食って満足してまうねんっ」
ハハッと白い歯を見せて笑う侑君の横顔を見つめる。
昔と変わらない2人の絆の深さを感じて胸が熱くなった…。
私の視線に気づいた侑君が「ん?」と顔を覗き込んでくる。
「これからは侑君の事、私にも支えさせてね?・・・頼りないかもだけど。。」
自分で話しておきながら少し恥ずかしくなり目線を泳がせていると、侑君の手が頭に乗せられて優しく髪をかき混ぜた。
懐かしいこの仕草に顔が綻ぶ。
侑「ありがとうな?ともみちゃんが隣に居てくれたら俺、何にでもなれそうな気ぃしてくるわ。」