第32章 侑end
侑「・・・ともみちゃん、、それ本気で言うとる?」
私はさらに腕に力を込めた。
気持ちが伝わるように、、ぎゅっと抱きしめる。
「うん…。侑君の事、忘れようとした事もあったけど、全然無理だった。
気持ちに蓋をしてもどんどん溢れてくるの…
好きの感情が溢れて苦しいぐらいに。。
5年経った今も、侑君への気持ちは変わってないよ…」
私の腕に手を掛け、侑君が肩越しに見上げてきた。
その表情はまるで捨てられた子犬のようで、胸がキュンと高鳴った。
侑「こんな未練たらしい男でもええの?」
いつになく気弱な様子に思わず眉を下げ、フッと笑った。
「侑君が良い。私が侑君じゃなきゃ、ダメなの。」
侑「・・ともみちゃん…」
ガタンッ
侑君が勢い良く立ち上がり椅子が倒れた。
倒れた椅子に視線を向けた瞬間、今度は私が力強い腕の中に抱きしめられた。
懐かしく、夢にまで見た温もりに目頭が熱くなる。
侑「俺かてともみちゃんじゃなきゃあかんねん!
てかもう二度と離されへんけど、その覚悟ある?」
すぐ耳元に熱い吐息がかかり、ドキドキと脈が早くなる。
「もちろん。あの夏希さんが背中押してくれたんだよ?
とっくに覚悟は出来てるよ?」
侑「ハハッ、せやな。」
大きな手が私の頬を包み、お互いの熱を孕んだ視線が重なり合う。
侑「・・好きや。俺のもんになって?ともみ…」