第32章 侑end
夏希さんが出て行ってしばらくすると、、
ガラガラ、と引き戸が空き侑君が深妙な面持ちで入って来た。
侑「ともみちゃん、、大丈夫か…?」
「私より、侑君の方が大丈夫じゃなそうだよ…。」
きっと外で夏希さんと話したんだろう、、
私には侑君の顔が傷ついているように見えた。
侑「・・そうかもなー。夏希に別れよう、って言われた。・・いや、ちゃうか…俺が言わせたようなもんやな。
夏希も、ともみちゃんも傷つけてしもうて、ホンマ何してんのやろ…。」
ガシガシと頭を掻きながら侑君はカウンター席にドカッと腰に下ろした。
私からは背中しか見えず、表情は分からない…
けど、その大きな背中があまりに寂しそうに、悲しげに見えて、私はいてもたってもいられなかった。
・・侑君だって傷ついてるのに…。
私は静かに立ち上がると、そっと後ろから侑君を抱きしめた。
「侑君…、これからは私が侑君を支えても良いですか?
もう離れないから…侑君の側に居させて?」