第32章 侑end
返事は無かったけど、俺は立ち上がりドアノブに手を掛けた。
入るで?と声を掛けそっとドアを開けると、夏希はベッドの上で膝を抱えて座っていた。
侑「夏希…」
夏希「・・あの人の事、まだ好きなん?」
俺を見つめる目は赤く腫れ、涙で濡れていた。
もう、これ以上夏希を傷つけとうない。
自分の気持ちを誤魔化す事はそう言う事なんや…。
ギリッと奥歯を噛み締め夏希と向き合った。
侑「・・キッパリ忘れよ思うとった。
けど5年ぶりに再会して自分の気持ち、自覚した…。
俺はまだ、、、」
夏希「分かった、、侑の気持ちは分かったから…。それ以上は言わんで。」
夏希は抱えた膝に顔を埋めた。
侑「・・すまん。」
謝罪の言葉なんか掛けたって何の意味もない事はわかる。
けど、それ以外の言葉が思いつかんかった。
夏希「・・侑、最後にお願い聞いてくれる?」
侑「俺に出来る事なら、ええよ。」
夏希は顔を上げ、俺を見る。
夏希「ーーー3人で話しがしたい。」