第32章 侑end
佐久早「これで頬、冷やした方が良い。」
「すいません…ありがとうございます。」
濡らしたハンカチを受け取り頬に当てる。
佐久早選手に抱き抱えられた私は、騒ぎにならないようにと佐久早選手の部屋に運ばれた。
ベッドにそっと下ろしてくれたが、横になるのは気が引けてとりあえずベッドの端に座らせてもらった。
綺麗にベッドメイキングがされ、ピシッと皺ひとつないシーツの上に座るのは何だか申し訳なく思う…。
「本当にご迷惑をお掛けしてすいません。少ししたら出て行きますので…。」
佐久早「・・いや。それより病院、ほんとに行かなくていいの?」
「これぐらい大丈夫です。こう見えて私、結構頑丈なんですよ。」
ニコッと明るい笑顔をつくるが、簡易キッチンに立つ佐久早選手の反応は薄く、「そうは見えない。」と一言呟いただけだった。
もう大人しくしていよう、、と苦笑いを浮かべ頬黙ってを冷やした。