第32章 侑end
名前を聞いた途端、心臓が嫌な音を立て、身体が金縛りにあったかのように動けなくなった。
夏希「ねぇ、どんな手を使って侑を縛ったん?教えてよ?
私、侑の新人の頃からのファンでずっと追いかけてて、、
ようやく"彼女"のポジションになれたと思ったのに…。
こんな屈辱的な事ってあるん⁈」
バンッッ‼︎と夏希さんは拳でテーブルを叩いた。
突然の大きな音にビクッと肩が揺れる。
ここで騒ぎを起こしたら大変な事になる、、
そう思い、私は深呼吸をすると、夏希さんに視線を向けた。
「・・夏希さん、誤解してるようですが、私が日向選手の専属栄養士になったのと、宮選手は全く関係ありません。」
私の返答に夏希さんの眉がピクッと動いた。
夏希「は?寮まで来といて笑わせんといてくれる?
それとも侑の次は日向選手狙いなん?とんだ男たらしやな。」
あまりの物言いに、さすがにカチンと来た私は椅子から勢いよく立ち上がった。