第9章 文化祭
いつまでもここで座ってる訳にもいかないし…。
とりあえず傷を洗おうと、ノロノロと立ち上がり足を引きずりながらなんとか校舎に戻りトイレに入った。
後夜祭が始まる時間だからか、ほとんどの生徒がグラウンドに出ているようで校舎の中は静かだった。
膝と手の平の擦り傷を水で洗い、鏡で顔を確認すると、右の頬骨あたりが赤く擦り切れていた。
「・・・ひどい顔。」
目は赤く腫れ上がっている。
はぁ。
別にこんなの初めてじゃないし、大した怪我じゃない。
今までどんなイジメを受けても泣いた事なんて無かったのに…。
ズキズキと傷が痛む…。
気を緩めるとまた泣いしまいそうで、ぐっと奥歯を噛み締めた。