第9章 文化祭
「あんたさ、目障りなんよ。治君に付き纏って彼女ヅラして。
コンテストに選ばれたからって調子乗んなや。」
「クスッ、なぁーんか今日も手繋いで校舎歩いてたらしいな?初心な顔して、ホンマええ度胸しとんなぁ。」
「・・・・」
・・・やっぱり、、そう言う事か…。
相談なんておかしいと思った…。
拳をぎゅっと握り下を向く。
そんな私を見て、サオリさんはチッと舌打ちをした。
「イチャつく姿、ファンクラブの奴らに見せびらかしたろって思ったん?うちらが悔しがる姿見て、あんた鼻で笑ってたんちゃうん⁈」
徐々に大きくなるサオリさんの怒鳴り声に肩がビクッと震える。
「てかあんた、さっきから黙ってるけど何か言ったら?
それとも私らの事バカにしてる?」
「クスッ、サオリが怖くて声も出んのとちがう(笑)?
てか私は侑君派やから正直どーでも良えけど。
そろそろ侑君出て来る頃やろうから私はアッチ行くわ。」
侑君の名前を聞き、思わず顔を上げると、その人はニコッと口元に綺麗な弧を描いた。
「侑君て誘えば乗ってくれるから。」