第9章 文化祭
パーテーションからホスト達が1人、また1人と出て来て、最後に侑君がでてきた。
・・これはもしかして私達のテーブルに来るってこと?
その時、侑君も私達に気付いたようで、顔を引き攣らせながら私達のテーブルに近づいてくる。
他の男の子達が跪く中、侑君は私達の前に立つと眉を吊り上げた。
侑「つーか何指名してんねん‼︎」
治「何や、さっきの標準語はどないした?
ともみちゃんも仔猫ちゃんて呼ばれたいよな?」
話しを振られ、曖昧に返事を濁すと侑君と目が合った。
いつもより色気のある雰囲気に胸がドキドキと音を立てる。
けど、侑君の視線はすぐに逸らされ治君の方へと向いてしまった。
侑「デート中にわざわざ俺んとこ来んでもええやろ。」
治「腹減ってるんやからええやんか。てかさっき上の階行ったら北さん居ったで?」
目の前の2人の会話をぼんやりと眺める。
・・・侑君、目合わせてくれない。
そんな事を思っていると、周りの女の子達の声が聞こえてきた。
「ねぇ!あのドラキュラって治君やんな?」
「凄ない⁈宮兄弟揃ったで?」
「治君、指名出来るか聞いてみよか?」
それを侑君は聞き逃さなかった。
今度は侑君が悪戯っ子のような顔でニヤリと笑うと、、
侑「只今ご指名頂きましたー!ナンバーツーの治、ことサム入りまーす‼︎」
治「ハ⁈何言うとんねん‼︎って誰がナンバーツーや‼︎」
侑君のコールに女の子達が一斉に沸く。
「こっちも治君お願いしまーす!」
「え〜私達もー‼︎」
侑「かしこまりましたー!サム入りまーす‼︎って痛っ‼︎」
治君が侑君の頭を引っ叩いた。
治「入らへんって言うとるやろがい‼︎」