第9章 文化祭
結局そんなやり取りをしていたせいで休憩時間がギリギリになってしまい、たこ焼きはテイクアウトにして自分のクラスへ戻った。
クレープ屋は予想以上の売り上げで14時前には全て売り切れてしまい、予定より早めの店仕舞いになった。
片付けと洗い物を終え、自由時間になった。
私は特に行く所も無い為、教室で佐々木さんと町田君と一緒に売り上げを数えていた。
電卓を打ち終えた町田君が数字をノートに記入する。
町田「目標達成や‼︎やったな!」
佐々木「は〜。お疲れ様〜‼︎原さんもありがとうな?」
「いえ、お手伝い楽しかったです。」
佐々木「フフッ、てか原さん、いつまで敬語なん?同い年やしもう友達なんやから敬語使わんで?な?」
私は顔を綻ばせて頷いた。
佐々木「それと、原さんの事、ともみちゃんて呼んでもええ?」
「・・もちろん!じゃあ私も佐々木さんじゃなくて夕子ちゃんて呼ばせてもらってもいい、、?」
佐々木「当たり前やん!なんか、、照れ臭いわ。」
町田「いいね〜アオハルやんな〜。あ、アオハルと言えば原さんの彼氏って宮治なん?」
町田君が携帯を弄りながら聞いてきた。
「え?治君は友達だけど?」
佐々木「そうなん⁈え?友達⁇私てっきり2人は付き合うてるんやと思っとたわ。」
町田「なんかすげー噂広まってんで?他のクラスの友達からこんな写メ届いたし。」
私と夕子ちゃんは前のめりになり、町田君の携帯を覗くと、そこにはドラキュラの格好をした治君と私が手を繋いで笑ってる姿が撮られていた。
佐々木「うん。これはカップルにしか見えへんな…。」
私は黙って頷く。
町田「そんでミスター稲荷崎の投票にも影響あるらしくて、宮治に彼女が居るなら、宮侑に投票するって女の子が増えてるみたいやで?」
佐々木「・・安易な考えやなぁ。投票は何時までやったっけ?」
町田「15時。で後夜祭が始まって18時に結果発表。」
私はハッと思い出し時計を見る。
今は14時50分。
「ごめんなさいっ‼︎15時からバレー部の紅白戦があって!私行くね⁈」
私は慌てて椅子から立ち上がると走って体育館に向かった。