第9章 文化祭
すると教室内にトランス風の音楽が流れ始めた。
すると教室の角に置いてあったパーテーションの中からホスト扮する男の子達が出て来て、1番後ろには侑君もいた。
治「ツムのあの格好何やねん!(笑)」
治君は笑いを堪えてすぎて目尻に涙を溜めている。
侑君は金髪の髪をオールバックにし、赤のサテンシャツに黒のパンツを履いている。
背も高く足も長いから似合う、、けど私も我慢出来ずに吹き出してしまった。
ホスト風の男の子達に照明が当てられ全員がキメ顔をしポーズを取る。
女の子達の黄色い悲鳴が飛び交う中、侑君達はある女の子グループの席の前に立つと一斉に跪いた。
・・ただ1人、侑君だけは女の子達の机の上に腰を掛けると長い足を組み、髪を掻き上げた。
侑「ご指名ありがとうございます。当店ナンバーワンホストの侑です。」
侑君の流し目に女の子達はぽっと頬を染めた。
侑君はそんな女の子の手を握ると、
侑「可愛い仔猫ちゃん、ご注文は?」
「た、、たこやき2つとオレンジジュース2つ…お願いします…」
女の子は口をパクパクとさせ、真っ赤な顔で侑君を見つめている。
侑「畏まりました。良い子で待っとって、じゃなくて、良い子で待っててね。
たこ焼き2つオレンジ2つ入りまーす‼︎」
後ろにいた男の子達も一斉に立ち上がるとコールを繰り返した。
どうやらこれが一連の流れらしい…。
侑君は女の子の手の甲にチュッと口をつけるフリをして、テーブルから離れると再びパーテーションの中へ戻って行った。