第9章 文化祭
あやか「あ、尾白君と北君いらっしゃい。」
振り向くと、あやかさんの同級生だろうか、背の高い2人が立っていて私はペコッと会釈をした。
2人も私に軽く頭を下げると中に入ってきた。
凛とした出立ちの先輩が治君に向かって声を掛けた。
「治。」
治君の肩がビクッと揺れる。
2人の先輩達に気づいた治君は、珍しく顔を引き攣らせると、慌てて女の先輩の輪から抜け出て来た。
治「お疲れ様です!北さんとアラン君も縁日見に来たんすか?」
「ちゃうちゃう!たまたま廊下歩いとったら治の姿が見えたから覗いただけや。侑は一緒じゃないんか?」
治「そんな俺らいつも一緒ちゃいます〜」
ムスッと口を尖らせる治君に、
「治。」
またもう1人の先輩が名前を呼ぶと治君の肩がビクッと揺れた。
治「はい!」
「午後から紅白戦なんやからいつまでも遊んでんと早めに昼食べて準備しときや?」
その先輩の醸し出す空気に周りがピリッと引き締まる感じがした。
治「はい!もう戻ります〜」