第9章 文化祭
それから私達は食べ歩きをしながら校内を見て回った。
客寄せに捕まり迷路に入ったり、バンドの演奏を聞いたりして楽しんだ。
ただ慣れないのは、私の顔と名前が学校中に知れ渡ってしまった為、声を掛けられたり、
中には写メを撮ってくる人もいた。
佐々木「原さんの知名度、ヤバいな。」
「顔と名前が1人歩きしてますね…」
あまり人と視線を合わせないよう俯き加減で歩いていると、ポンッと後ろから肩を叩かれた。
またか、と思い恐る恐る振り向くと、黒のシルクハットに黒の立ち襟の長いマントに身を包んだ長身のドラキュラが立っていた。