第9章 文化祭
そして今、
中間結果を見た私は固まっていた。
現段階で私が1位、、、?
そんな事があるはずがない。
でも、私の名前の少し下にはミスター稲荷崎の1位と2位は宮兄弟が名を連ねていて、
そこでこの投票結果が事実なんだと思い知らされる…。
フリーズしている私に佐々木さんは、
佐々木「・・・おーい、大丈夫?あと原さんに言っておかなあかん事があって…。」
言いづらい事なのか、言葉を濁す佐々木さんは目が泳いでいた。
佐々木「実は、、ミスとミスターでそれぞれ1位になった人は後夜祭でステージに立たなあかんくて…。」
「・・・え?」
佐々木「最後のフォークダンスの時、1位になった2人はペアでダンス、、すんねんて…。」
あはは〜とこめかみのあたりを掻きながら佐々木さんは苦笑いを浮かべた。
私は愕然とし、頭が真っ白になる。
佐々木「・・ごめん。説明不足やった。
原さんならもしかして1位取るかも、って考えたりしたけど、安易な気持ちで押し付けてもうた。ホンマごめん…」
申し訳なさそうに頭を下げる佐々木さんに、私は頭を上げるよう手を伸ばす。
「私もちゃんと確認しておくべきでした。
だから謝らないで下さい…。
それにまだ1位って決まった訳じゃないですよ(笑)?」
佐々木「・・そうやけど。」
佐々木さんは申し訳なさそうに俯いてしまった。
「そうだ、佐々木さん。私これから休憩時間なんですが、良かったら一緒に校内周りませんか?」
佐々木「もちろんええけど…。」
「私まだ他のトコ見れてないんです。1人じゃ行きづらくて、、、だから付き合ってもらえますか?」
佐々木「・・うん。原さん、ありがとう。」
私は頬を緩め頷いた。
コンテストの結果はどうなるか分からないけど、今更出た事に後悔したって仕方ない。
とりあえず楽しもうと初めての文化祭に胸を躍らせた。