第6章 体育祭、それぞれの想い
※心操人使
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個性について話すと、いつも言われる言葉達。
今も、昔も。
「心操くん洗脳〜〜〜?!すげえ初めて聞いた!」
「うらやまし〜〜」
「悪ィことし放題じゃんか!!」
「足つかないしね〜〜〜〜」
「私ら操ったりしないでよ〜?!」
そりャ、俺も他人が持ってたらまず悪用を思いつく
「皆そう言うよ」
犯罪者…“ヴィラン”向きだねって間接的に言われるのは慣れっこだ。
そういう世の中、仕方のないこと。
「でもさあ…」
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(ね、猫?)
英雄高校普通科に入学し、放課後に図書室のカウンター席を覗くとそこに猫がいた。猫はカウンター席に丸く蹲り昼寝をしている。日の光が当たりすぎず、開いている窓から優しいそよ風が送られる、最高な昼寝場所のようだ。
(かわい…)
猫は好きだ。このままずっと眺めていたい。
しかし自分は図書委員になり、本の貸出や返却の手続きするカウンター業務を務めなければならない。猫が眠るその席で。
愛くるしい毛玉の生き物を見つめていたら、パチリと目が合った。
「あ、起きた」
「…くぁ〜〜」
「ごめんね、起こすつもりはなかったんだけど」
「にゃーん」
寝起きに人間が側に居ても逃げないのか。俺の声かけに返事をするように鳴くし、よく人に懐いていそうだ。
「可愛いな」
「にゃ」
猫は狭い座席の上で器用に伸びをし、立ち去ろうとする姿に俺は慌てた。
『そこ!退かなくていいよ』
思わず個性の“洗脳”を使用してしまった。気持ち良さそうに過ごす邪魔をするつもりはなかったし、まだ居てくれるなら居てほしいと思ったためだ。
この“洗脳”の個性を発動させるには、俺の問いかけに返答して初めて発動する。…そもそも、動物に俺の個性が通用するのだろうか?
猫は俺のことなんか気にせず毛繕いに熱心だ。
「…返事なんてしないか」
「にゃ!………ぅッ!?」
「?!」
返事をしてくれた。
そしてまさかの、動物にも俺の個性“洗脳”が通用するなんて。今まで試そうと思ったことはなかったし、そのような機会もなかった。この出来事に驚きつつも「早く解除してあげなきゃ」と考えていると…