第43章 我が家にヤツがやってきた!、の巻
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…で、家に帰りついて玄関のドアを開けたら…
「ただい…」
「きゃんきゃんきゃんきゃんきゃんきゃんッ!!」(←鬼の様な勢いで吠える空ちゃん)
「………すんごいっすね(苦笑)」
ドアを開けてただいまを言っている途中で響き渡る、空ちゃんの悲痛な鳴き声を聞いて
ニノは呆れた様にそう言うと、肩を竦めて部屋に上がった
「きゃんきゃんきゃんきゃんきゃんきゃんッ!!!///」(←ゲージの中で走り回って吠えている)
「お〜、元気っすねぇ(笑)」
「…笑い事じゃないよ(苦笑)」
大暴れしてる空ちゃんを見ても、何だか面白がってるみたいに笑ってるニノ
でも僕は当然、とても笑う気になんかなれなくて、そんなニノにちょっと避難めいた視線を送ってから
ゲームの中の空ちゃんに手を伸ばした
「空ごめんねぇ、さみちかったねぇ?」
「きゃいんきゃいぃ〜んっ///」
「わあっ///」
伸ばした僕の腕に飛び付く空ちゃん
僕はそのあまりの勢いによろめいて後ろに倒れそうになった
それを、ニノが(何故かお尻を掴んで)支えてくれた
「あひゅっ///」(←ケツを掴まれたんでちょっと変な声がでちゃった(笑))
「なんつー声出してんすか(笑)」
「わんわんわんっ!!」(←早速ヤキモチを妬いている空たん)
「だ、だってニノが…あ、空ちゃんちょっと待っててね?今出してあげるから…」
「ダメですよ」
「えっ…?」
ニノは空ちゃんをゲージから出そうとした僕の手を掴むと
ゆっくり首を横に振った
「わんわんわんわんわんわんっ!!」(←早く出してと言わんばかりに吠えまくる空たん)
また声が枯れちゃうんじゃないかって勢いで吠える空ちゃんと、何だか険しい顔をしているニノの顔を見比べる
「ダメって、何で…」
「今出したらこいつ、“ああ、吠えれば出してくれるんだ”って覚えちゃいますよ」
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