第43章 我が家にヤツがやってきた!、の巻
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(随分静かだけど…どうしたのかな?)
僕は、夕飯の支度をしながら、リビングの方に聞き耳を立てて
首を傾げた
(大丈夫なのかなぁ?翔くんと空ちゃん、仲良くしてるのかなぁ?)
さっきキッチンへ入る時は、空ちゃんの悲しげな鳴き声が聞こえていて、後ろ髪を引かれる思いがしたんだけど
今は、全く鳴き声が聞こえないし、勿論、翔くんの声も聞こえない
何してんだろうなぁ、気になるなぁって
そんな事を思いながら、僕は出来るだけ急いで夕飯の支度を済ませた
「翔くんおまたせ〜」
「あっ、智くん、しーっ!///」
「え?」
急いで夕飯を作って、それをお盆に乗せてリビングへ行くと
翔くんが唇に人差し指を押し当てて僕に目配せした
その視線の先の翔くんの膝の上にを見たら、空ちゃんが乗っていて
なんだか寝ているみたいだった
「…空ちゃん、寝てるの?///」
僕は声を潜めてそう言いながらテーブルにお盆を置いて、翔くんの膝の上を覗き込んだ
「うん、あれから暫くの間きゅーきゅー鳴いてると思ったら寝ちゃってさ(笑)」
そんな僕の様子を見ながらそう言って翔くんが笑う
僕は、足音を忍ばせてその隣にそっと座った
「そっかぁ、寝ちゃってたから静かだったんだぁ///」
「うん、お陰でちょっと足が痺れちゃったけどね(笑)」
「うふふふ ///」
「……くぅ〜ん///」
「「あ。」」
と
二人して声を潜めては居たんだけど、それでも僕らの話し声がうるさかったのか
空ちゃんが小さく伸びをしながら目を覚ました
「んきゅ〜…きゃうん///」
翔くんの膝の上で伸びをして目覚めた空ちゃんが、甘えた声で鳴きながら顔をあげる
そして、目の前に僕が居るのに気付くと嬉しそうに尻尾を振って、翔くんの膝の上から僕の膝の上に飛び移った
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