第43章 我が家にヤツがやってきた!、の巻
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我ながらこんな小さな仔犬にヤキモチを妬くなんてどうかしてるぜ(←笑)とか思っていたら
ふと、空の鳴き声がさっきと違って来たのに気付いた
「……こいつ、寝てんのか?」(←脇の下から空を引っ張り出して顔を覗き込んだ)
「……きゅぴ〜……すぴ〜……」(←空ちゃん爆睡ちゅー)
「………寝てるわ(笑)」
さっきまで騒いでいたのがウソの様に、すぴすぴ言いながら眠りこけている空
その無垢な寝顔と言い、寝付きの早さと言い
なんだか智くんに似ている気がした
「…やっぱ、あれだな…
可愛いっちゃ、めちゃ可愛いな。(笑)」
ニノが空を家に連れてきた時は、なんでそんな勝手な事をって思ってしまった俺だったけど
今は、ニノがどうしてこいつを家に連れてきたのか良く解る
仔犬ってのは…
まあ、犬に限らず、小さな赤ちゃんってのは
そこに居るだけで、その寝顔を見ているだけで、何故だか癒されてしまうもんだ
それはきっと、智くんの傷付いた心を癒す手助けになる筈だ
…だからニノは、我が家に仔犬を連れてきたんだろう
「……ちょっとくらいのヤキモチは、我慢しなくちゃだよな、空」
「…きゅぴ〜…ぷぴゅ〜…」(←鼻が鳴った(笑))
「ぷっ///」(←やっぱしめちゃ可愛いなぁと思っている)
(…ま、とりあえずはママの為に仲良くしような?空。)
俺は心の中でそう呟いて
空の頭を優しく撫でてやりながら、なんとも言えず可愛らしい寝顔を眺めていた
それから空は
智くんが夕飯の仕度を終えるまで、ずっと俺の膝の上で(脇の下に頭を突っ込んだ体勢で)眠っていた
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