• テキストサイズ

【MARVEL】This is my selfishness

第5章 5th



「あの、サム・ウィルソンさん、ですよね?」

「ああ」



女性の問いかけににこやかに対応するサムさん。
サムさんって有名人?
声をかけられたサムさんを改めてよく見てみるとどこかで見かけた気がしてくる…。




「ケーキ見に行くんだろ?」


隣に立っていたバッキーに二の腕を引かれてわたしとバッキーはその場を去った。




連れられながら振り返ると、サムさんが女性たちと写真を撮り始めていた。



『バッキー…サムさんって有名人?』


バッキーを見上げると苦虫を噛んだような顔をしていた。



「…ケーキはどれがいいんだ?」

『え、何で話題をそらしたの?』




その時、わたしの体が何かに押され、よろめいて軽くバッキーに倒れかかった。
そのわたしの体をバッキーが支えてくれてわたしの背後に「Hey」と声をかけた。その声が少し怒り気味だったのが気になった。




バッキーが睨んでいる相手は男性で、自分が何故声をかけられたのか分からないといった表情をしていた。




「彼女に当たったぞ」



バッキーのその言葉で、自分がよろけたのはこの人が当たったからなのか、と認識する。
…にしてもそんな睨みつけなくても…。




今にも掴みかからんばかりのバッキーの腕をポンポンと叩く。


『あの、大丈夫だから』


納得いかない顔をしているバッキーの前に立ち、男性に『気にしないでください』と言ってからバッキーに向き直る。




「あいつ謝ってない」

『うん、そうだね。でもわたしもちゃんと周り見てなかったし、おあいこってことで…あ、わたしが狙ってるオペラもまだあるみたいだし』




ケーキが並ぶショーケースを示すと、バッキーが渋々睨むのをやめた。



『バッキーは何か食べる?サムさんは何がいいかな』

「俺は君のを1口もらおうかな」

『え〜わたしが足りなくなっちゃう』

「じゃあもしミアが他に悩んでるものがあればそれを。そしたら両方食べれるだろ?」

『いいの?オペラの次にあのガトーショコラも…』

「待て。両方チョコじゃないか」

『????うん』



まあいいか、と呟いてからバッキーが店員さんに注文してくれた。
サムさんの分はバーガー。





/ 284ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp