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【MARVEL】This is my selfishness

第5章 5th



「からかいに来た、の間違いだろ?顔がニヤけてる」


そう指摘すると口元を隠すように手で覆い擦る。



「あんたの顔を柔らかくする存在に興味が湧いてな。たまにはただの友人として過ごすのも悪くないだろ?」



……絶対友人として過ごすよりも揶揄い目的の意味合いが強いだろ。


こんな所、スティーブにも見られたことないぞ。
スティーブが居たら何て言っていたんだろうか。





「いいか、ウィンターソルジャーのことは何も言うなよ。彼女は恐らく俺がそれだってことも、お前がニューキャプテンアメリカだってことも俺がそのサイドキックみたいなことをしてることも知らない」

「そうなのか?」



てっきり話してるもんだと、とサムが驚く。



「お前がニューキャプテンアメリカだってことは気付くかもしれないが、テレビでも俺は取り上げられないようにしてるし、報道規制がされているはずだからな。彼女が知らなくても無理はない。それこそウィンターソルジャーのことなんか以ての外だ」




今はまだその時じゃない、というかどういう反応を取られても構わないという覚悟が出来ていない。
サイドキックとして一緒に行動してる程度を知られるのはまぁいいとして、ウィンターソルジャーと呼ばれていたことやそれが何を意味するかはまだ知られたくない。



念を押すように睨みつけると、サムはしっかりと頷いた。




「俺としてはあんたが姉貴を口説かなくなるんであれば何でもいいさ」

「口説いたことなんかないぞ」

「どの口が」



冗談めかしてサムが笑うと、ミアが部屋から出てきた。




「今日は荷物が大きいな」

『うん。もしそのまま仕事に向かうことになってもいいように制服を入れたから』



タートルネックのニットセーターにロングスカートを合わせた彼女の足元はウェイトレス服の時の靴だった。
彼女のセンスが良いからか、仕事着でも私服でも使える靴のデザインが今の格好にもよく似合っている。



「賢いな。持つよ」

『え?いいよそんな。重くないし』

「バッキー、信用されてないんじゃないか?」


サムが後ろから茶化してくるとミアが慌てた。







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