【MARVEL】This is my selfishness
第14章 12th
しかもただでさえ普段晒されていない場所が晒されているというのに、更に足まで晒されていた。
いつもはタイツやら履いて生足は出さず、この間のパーティードレスでスリットが深く入ったものを着ていたのでさえ珍しかったのに。
しまいにはズボンだからとスカートを捲り上げる始末。
俺をどうしたいのかと思った。
もっとその先を見たいと手を出さず理性を保った俺を誰か褒めるべきだろう。
あの服はケリーが選んだと言っていた。ナイスだ、と思うと同時によくも…という気持ちが沸き上がる。あんな格好、どこぞの馬の骨が誘惑されてると勘違いしかねない。
だからミアには連れがいると、男がいるというのを周りに分からせるためにカウンターではミアを囲うように立った。
その行動に対してミアは顔を真っ赤にして困惑していた。ああいう表情も庇護欲をそそる。ミアの今日の唇はいつもよりさらに紅く蠱惑的に見えて余計に囲い込みたくなる。
と、バッキーが仏頂面で考えていると右腕に何かが絡む。
「わ!やっぱりいい男〜!なんでここに1人で立ってんの?声掛け待ち?」
派手な露出に目元は黒く、ブラが軽く見えるほど襟元が大きく開き体のラインがはっきり分かるほどピチピチのシャツにポケットの裏地が見えるほど丈の短いデニムパンツ、そして高いピンヒールのパンプス。
胸を押し付けるように右腕に絡む女を一瞥して、返事はせずに女性用トイレへとまた視線を向ける。
「なぁに〜?無視なわけ〜?」
その女は無視されているにも関わらず、ボディタッチが多くなっていく。
チッ、面倒だ────…
トイレから出るとすぐにバッキーを見つけた。けれどその腕には知らない女性がくっ付いていた。
バッキーもわたしを見つけたのか、こちらに来ようとするけれどその女性が離れなくて思うように動けないらしい。紳士な彼には女性に冷たく当たることなど出来ないだろう。
どうしようかな、と思っていると─────