【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
ガチャンッ
『ッハ!!』
考え事をしながらアパートに着くと、そのままエントランスの扉を開けようとしてしまった。
まだオートロックの鍵を開けてないというのに。
やっちゃった〜、と思いながらカバンから鍵を取りだし、オートロックに鍵を差し込む──────その瞬間に視界が真っ暗になった。
『っ!??』
一瞬、体が硬直し、真っ暗になったのは自分の目が塞がれたからだと認識してからソレを引き剥がす。
「考え事か?」
『ッバ、ッキー…!』
わたしの視界を塞いだのはバッキーの手だった。
『びっくりしたじゃん!!!』
今日のわたしは人前で恥ずかしげもなく喚くほどに声量大きめ。
本当にびっくりしたんだもん!!!!!!!!
「考え事しながら解錠なんて良くない。鍵を開ける時は周りを警戒して誰も近くにいないか確認してから開けるんだ」
そう言いながらわたしを挟むようにしてエントランスの扉を開ける。
促されるようにして中へ入りながらもわたしの心臓はまだ大きく暴れ回っている。まだ大声出せそうです。
『本当にびっくりしたんだから……もう、、、普通に教えてよ、、』
心臓を落ち着かせようと胸を抑える。
ハー、フー、と深呼吸をしているとわたしを驚かせた張本人が背中を優しく摩ってくれた。
「そこまでびっくりするとは…悪かった」
落ちる声に見上げると、本当に悪いと思っているようでしょぼんという音が似合いそうなほどに眉尻を下げたバッキーがいた。
『……悪いって思ってるなら許してあげる』
そう言うとすぐに彼の顔は明るくなった。
うっ、わたしの言葉でコロコロと表情変わるの可愛すぎるよ……!
『どこか出掛けてたの?』
「ちょっとな。ミアは?」
2人で階段を上がる。
『ケリーさんとお茶したりお買い物したりしてた』
「ああ、それで」とわたしが持つ紙袋に視線をやる。
下着も入ってるので紳士ムーブの発動をキャンセルしてもらった。
(部屋はすぐそこなのにすぐ荷物もってくれようとするんだから)