【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
「パーティーの時に【見せないセクシー】は着たでしょう?今度は【見せるセクシー】でいくわよ」
『でもこれじゃあ、夜は寒いんじゃ……』
「そんなときは寒いなって言ってくっつきなさい」
『え、えぇ、、、』
そんな無茶な。
ケリーさんに「付き合って♡」と言われて断る人なんていないでしょう。あんだけ可愛く言われたら『ぜひ!』と言う他ない。
お茶していたカフェテリアからモールへ行く道中、「初めて行くクラブなんでしょ?クラブに行く服はあるの?」と言われ、『えっ!クラブに行くための服なんてあるんですか?!持ってないです!』と答えたわたし。
あのときのケリーさんはさらに最高の悪戯を思いついた小悪魔のようないい笑顔と言ったら……
そしてこの格好である。ヒィ。
「服はこれでいいとして、あとはブラとリップね」
『え゙』
まだ必要なものが?できるだけお金を使わないようにしてるとはいえ結構カツカツなんですが……!
「なぁに、カエルが引き潰されたみたいな声出して」
ケリーさん、結構残酷なことを言いますね……。
『いや、あのブラはその分かるんですけど……リップも?』
ブラに関しては、この服だとブラ紐が見えてかっこ悪いからだろう。けれどリップとは…?
「基本的なメイク用品は持ってるでしょう?メイク自体はいつも通りにしていいわ。でもリップだけはいつもと違ってちょっといいものにしましょ」
「彼がキスしたくなるようなね」とウィンクをされる。
……き、キス……!!!?
その言葉に穴という穴から汗が吹きでてくる。た、大変、試着してる服に汗が……!買う予定のものだけど…!!!
わたしがあたふたしていると、「あ、それと服は私があなたにプレゼントするわ」とケリーさん。
『えっ?!いや、何でですか!自分で買いますよ!』
「いいのよ。私からの初めてのクラブの記念にってことで。ここまで付き合わせたのは私だしね」
そう言いながらケリーさんはレジの方へと歩いて行く。
クラブに行くのが初めてとはいえ、そんなプレゼントしてもらうような、記念するような事じゃないと喚きながらついていくと、「いいからソレ着替えてきなさい」と子供に言うような声音で言われた。