【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
『今まで行ったことなくて』と付け足すと「イメージ通りだわ」と言われた。うっ!
バッキーが一緒に行ってくれること、初めてだからロンさんとアレックスに聞いていたことを話すとケリーさんも「じゃあわたしもこの中で行ったことがあるのを教えてあげる」と情報を付け足してくれた。
『わぁ、だいぶ選択肢しぼれました!』
「ふふ、ロン、貴方のリストは選択肢多すぎだって」
『そういう意味では…!』とフォローしようとすると、「あら!何よ、良い所がたくさんあっていいじゃないの!」とロンさんがすぐさま返していた。ケリーさんはキャストさんの中では一番ロンさんとの付き合いが長いようで、軽口を言い合えるほど仲が良い。
「じゃあ次の休みはここに行くか」
『うん。行き方も調べとくね』
マップで場所だけ確認してみると、歩いて行けそうな場所にあった。もしかしてロンさんはそれも考慮してくれたのかな?
『ハッ!早く食べちゃわないと』
クラブの話に夢中になって、ルドルフさんが作ってくれた料理が疎かになってしまっていた。
止まっていた分を取り戻すように口に頬張ると横で頬杖をついたバッキーに笑われた。
〈調べてみたが何も出てこない。至って普通のどこにでもいるような経歴だ。強いて言うなら頭は良さそうだな〉
アレックスについて調べていたサムからの連絡は収穫なしだった。
しかしそれを責めてられないほど、自分で調べたものも空振りだった。
「今日直接、調べるのに使ったっていうサイトを聞いたがどれも残っていない」
〈それはそれで怪しくないか?〉
「ああ。だが単にいろんなサイトを吟味して、よりウィンターソルジャーについて詳細があったものを選んでいたのだとしたら仕方ない」
NOT FOUNDと表示される画面を睨むが、そんなことをしたってサイトは復元されない。
情報操作のために消されたのか、アレックスが故意に消したのか。
サイト運営自体をアレックスがしていたのであれば後者がありえるが、アレックスがサイトを運営していたという証拠もないんじゃ答えはでない。