【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
おぉ〜、今これ繋がってるんだ…とカメラに向かって手を振る。
すると、閉めていたエントランスの扉がガチャン、と音を立てた。
『ん?』
〈ミア、オートロックの鍵持ってるか?〉
その言葉にハッとする。やばい、興味のままに出てきちゃったからオートロックの鍵を置いてきてしまった。
『も、持ってません…』
「え!そうなの?良かったね、今のバッキー・バーンズさんが開けてくれたから今ならそこ開くよ」
そう言いながらダニエルさんがエントランスの扉を開けてくれる。
『危うくいちばんに締め出されるところでした…』
「ま〜じで気をつけた方がいいよ。バッキー・バーンズさんがいる時はいいけど、ここも鍵ついて外階段も鍵ついてしかも他に住人いないから場合によっちゃまじ地獄だぜ」
そう言われるとゾッとする。
ヒィ、と自分の肩を抱くようにしてると、業者さんが「その時はここに電話してくれたらいいから」とオートロックに貼られたシールを指さす。なるほど、電話番号が書かれてるのか。
そうこうしてると2階から扉の開く音がして、バッキーも降りてきた。
バッキーが降りてきてわたしの後ろに着くと、ダニエルさんは「ほんじゃ、これでオートロックの設置完了ね。また何かあったら遠慮なく電話してね!ミアちゃん!」と片手を上げ、業者さんを連れて帰って行った。
それを見送り、今度はエントランス内に入っている状態で扉を閉めた。もう締め出されないぞ!
「鍵はちゃんと持つように」
『いや、ほんとそう。開けてくれてありがとう』
お礼を言うと「いいんだ、」と言い、こう続けた。
「それより仕事の時間、大丈夫なのか?」
『おはようございます…!』
裏口から入ってすぐの所にロンさんがいた。
「おはよう、ミアちゃん、バッキーちゃん。今日はいつもより遅かったのね」
『すみません…!アパートのオートロックの工事があって』
「あら、オートロックついたのね!この前行った時にそのまま入れたもんだからちょっと心配だったのよ」