【MARVEL】This is my selfishness
第13章 11th
仕事に行く前に家事を済ませようと動いていると、途中でベルが鳴った。ベルに対するトラウマはだいぶ薄れてきていて、過剰にびっくりしてしまうこともなくなってきていた。
もともとベルを鳴らすのなんてバッキーが主だったからか、ベル=知り合いという感覚になってきたのが良かったのかもしれない。
とは言っても注意して損はないので、というかバッキーにも言われてるので、ドアスコープは覗く。と、そこにはダニエルさんとバッキー、そして業者の人が並んで立っていた。
扉を開けると、「インターホンの設置をしに来たよ」とダニエルさんが話す。
「先にミアちゃんの部屋からってことになったんだけど今お邪魔して大丈夫?」
『はい、大丈夫ですよ』
『どうぞ、』と業者の人とダニエルさんを部屋の中へ招くと、バッキーまで入ってきた。
疑問に思いながらも『まぁ、しょっちゅう出入りしてるしね』と特に気にはしない。けどなんだろう。この狭い玄関先に男性3人もいるというのはなかなか…暑苦しい、かも。
ダニエルさんは時折、業者さんに言われて手伝いに入っているけれど、バッキーはずっと腕を組んでその様子を見ているだけ。
余程こういう作業を見るのが好きなんだろうな〜。そういうわたしも大体は家事も仕事の準備も終わったので邪魔にならないところから作業を観察してみる。
「お、完成?完成だってミアちゃん!」
『すごい、モニター付きなんですね!……こういうのって高いんじゃ……』
「ん〜まあぶっちゃけ高いっちゃ高いけどこっちの方が安全だし、そのうち元取るっしょ」
いや、ほんとになんでそんな懐深いの……?
改めてお礼を言うしかできない。何か他で返せるといいんだけど。
「ほんじゃあ、次バッキー・バーンズさんとこね!」と言ったダニエルさんは業者さんと廊下に出た。
バッキーもついて行くかと思ったら、ダニエルさんに「鍵なら開いてる」とだけ言ってわたしの部屋に留まった。
え?なんで?
『…ねぇ、バッキーは行かなくていいの?』
「ああ」
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